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立山連峰は、古くは万葉の時代から、そして今日に至ってもなお心のよりどころであり、心
のふるさとです。明治以前は信仰の霊山として信者が訪れ、動植物をはじめ大自然は神のも
のと崇められ、大切に守られてきました。
しかし、このような考えは、明治以降のスポーツ登山や戦後の大衆登山のブームによって、
崩れてきました。
自然公園への指定、さらに昭和46年6月富山県立山町千寿ヶ原~長野県扇沢を結ぶ立山黒
部アルペンルートが全線開通しました。それに伴い、誰もが手軽に立山の自然に接すること
が出来るようになりました。全線開通後、入山者はそれまでの20万人から100万人前後
へと急増しました。
このような観光客の急激な増加は、道路建設で生じた直接的自然破壊、それらによる水脈の
寸断や乾燥化などの環境変化に拍車を加え、入山者による高山植物の踏みつけやゴミの投棄
など、一層深刻な問題を引き起こしました。
こうした問題に危機感を抱き、立山連峰の貴重な自然を守り伝えようと、山岳関係者や学者、
市民など富山県民を中心に山と自然を愛する幅広い人々が結集し昭和46年11月7日「立
山連峰の自然を守る会」が設立されました。
「守る会」は、立山黒部アルペンルートへのマイカー乗り入れ禁止を求める運動や特別天然
記念物ライチョウの保護活動など自然を守る運動を幅広く推進し、多くの成果を上げて参り
ました。
その活動は長く受け継がれ、平成15年2月に新たに「NPO法人立山自然保護ネットワー
ク」を立ち上げました。
最近は、外来植物の調査や除去作業を県と協議しながら実施しています。
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